欧州では急速に天然ガスの供給がだぶついている。これを受けてガス価格は下落。欧州大陸がロシアへのエネルギー依存から抜け出そうとする中、冬の燃料不足と配給の懸念は和らいだ。ほんの数カ月前には、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、欧州がロシアのガスから軸足を移し、ロシアが制裁の報復として輸出を制限したため、政府当局者や企業幹部、アナリストは欧州大陸が冬の間に必要な燃料を十分に確保できないのではないかと懸念していた。政府は消費者や企業に燃料の節約を促し、そうしなければ強制的に配給すると警告し、米国やカタールなどが出荷したガスを大量に買い入れた。こうした対策と、最近の季節外れの暖かい気候のため、陸上や沖合に浮かぶタンカーに大量のガスが貯蔵されることになった。