ハイテク大手が今週発表した決算は、投資家を大いに慌てさせた。耐性があると思われていた企業にも、景気後退懸念とドル高による影響が容赦なく及んだためだ。しかも、先行きは一段と厳しくなるとの警鐘まで鳴らしている。「どこを見回しても良いニュースを見つけるのは難しい」。米半導体大手インテルのパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)はこう話す。米国のインフレ、エネルギーコスト上昇やウクライナでの戦争に揺れる欧州経済、アジアの混乱といった要因は、「来年に向けて経済が引き続き逆風に見舞われる」ことを示唆しているという。同社は27日、2022年12月期の売上高見通しを下方修正した。新型コロナウイルスの流行初期に業績を大きく伸ばしたハイテク企業はここにきて、高インフレや金利上昇、為替の逆風といった新たな現実に直面している。今年に入って見られたパソコン販売やデジタル広告の落ち込みが、景気低迷に強いと考えられていたクラウドコンピューティングなどの分野にも広がっているようだ。