サウジアラビア最大の銀行サウジ・ナショナル・バンク(SNB)は近く、スイス金融大手クレディ・スイスの筆頭株主となる。活況に沸くサウジの金融市場にクレディ・スイスを取り込みつつ、中東の富裕層との結びつきを拡大したい考えだ。SNBのアマル・アル・クダイリー会長は「サウジ市場でクレディ・スイスの関与を深めることができれば、双方に相乗効果があると考えている」と述べた。クレディ・スイスは先週、抜本的な再建計画の一部として新株発行により約40億ドル(約5950億円)を調達する計画を発表したが、これはSNBが新株の9.9%を取得することが前提となっている。クレディ・スイスは10月31日、新株発行の価格条件を設定するとともに、20行を引受銀行とすることを明らかにした。この中には、ライバルのUBSグループとJPモルガン・チェースを除く、ウォール街のほとんどの銀行が含まれている。これほど多くの銀行が起用されたことで、クレディ・スイスの再建に関わることへの関心が大きいことが分かる。ほんの数週間前には、同行の財務健全性を疑問視する声がネット上で飛び交っていた。