新型コロナウイルス流行下で転職した何百万人もの米国人の多くは、インフレの痛みを特に強く感じているが、その理由は見過ごされがちだ。収入が減ることを自ら選んだのである。これまで米国の労働者とその稼ぐ力にとっては全体的に良い時期が続いてきた(ただし、購買力にとってはそうでもない)。人手不足により賃金は上がり、需要の高い人材の多くは、より賃金の高い仕事に移った。しかし新しい調査によると、コロナ下の転職者の多くは給料が減った。2300人余りの労働者を対象にした調査では、2020年初め以降に転職した労働者の32%が、転職後に収入が減少したと回答した。多くの人は自らの選択で、より高い賃金を犠牲にして転職した。調査を委託したプルデンシャル・ファイナンシャルによると、収入が減った転職者の3分の1近くが以前の雇用主から解雇されたと答える一方、25%はワークライフバランスの改善を求めて減収を受け入れた。このほか、夢中になれることをやりたい、在宅などリモート形式や新しい場所で働きたい、自分の価値観により合った雇用主を見つけたいなどの理由で、賃金のより低い仕事を選んだ人もいる。
転職で減収の米国人、インフレの痛み大きく
ワークライフバランスを求めて安い給料を受け入れた人たちが物価高に直面している
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