「コミュニケーションは“お笑い”のスキルでもっとうまくいきます」。そう語るのは、元芸人でネタ作家の芝山大補氏だ。芸人300組以上のネタ制作に携わった経験を活かし、ビジネスパーソンから一般の方まで幅広い層に「コミュニケーションに活きる笑いのスキル」を教えている。そのノウハウをまとめた初の著書『おもろい話し方 ~芸人だけが知っているウケる会話の法則』が話題を集めている。「初対面でも会話が続く人がやっていること」「トークで相手を引き込むコツ」「相手の心に10倍響く“感想”の伝え方」「好かれるリアクションの極意」「すべらない話の作り方」「お笑いタイプ診断」など、元芸人ならではのコミュニケーションノウハウが満載の一冊だ。今回は、その芝山氏にコミュ力を高めるコツを聞いてみた。

覚えておくと超便利!「気まずい空気」を笑いに変える一言Photo: Adobe Stock

「幸せだった過去」で気まずい空気を打ち消す

 今回は、怒られたり、失敗したり、スベッたりした状況を笑いに変える一言について紹介します。

 以前の記事では、「未来をおおげさに悲観する」という方法を紹介しました。

 今回紹介するのは、「幸せだった過去を持ち出す」というやり方です。

【ケース① みんなの前で怒られたとき】
上司「遅刻なんてするなよ! 後で会議室こい!」
あなた「……はい、わかりました」
(上司どこかへ行く)
同僚「大丈夫?」
あなた「あ~……今日の朝、四葉のクローバー見つけたのになぁ」
同僚「(笑)」

【ケース② スベッたとき】
友達「このお菓子、なんか味おかしくない?」
あなた「お菓子だけに、“おかし”いって?」
友達「……え?」
あなた「はあ…子どもの頃はクラスで一番おもろかったはずなのになあ」
友達「(笑)」

 このように、ちょっと気まずい空気になりそうなとき、「幸せだった過去」を持ち出すと、深刻さがやわらぎます。

 場の空気をうまく笑いで変えられる人は、まわりの人も居心地がよく、一緒にいたくなるものです。ぜひ、みなさんも使ってみてくださいね。

芝山大補(しばやま・だいすけ)
ネタ作家
1986年兵庫県生まれ。2007年、NSC大阪校に入学。2009年、2011年には、それぞれ別のコンビでキングオブコント準決勝進出。2015年にはフワちゃんと「SF世紀宇宙の子」を結成。同コンビを解散後は、ネタ作家に転身。賞レースのファイナリスト、セミファイナリストなど、芸人300組以上のネタ制作に携わる。2019年からは、「笑いの力で人間関係に悩む人を救いたい」という想いから、お笑いの技術を言語化して伝える「笑わせ学」に取り組む。講義やイベントでの指導、YouTubeやTikTokでの活動を通じて、多くの人に芸人の技術を伝えている。発売から続々重版が決まっている初の著書『おもろい話し方』が絶賛発売中。