不安や悩みが尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】<br />どこまでも「不幸な人」、いつも「幸せな人」のたった1つの分岐点

見た目の凄さと幸せ度は比例しない

アナタは「モテたい」という願望は強いほうですか? きょうは恋愛の話をしようとしているのではなく「モテる人が幸せというわけじゃない」というお話から一般的な話に広げていこうかと思っています。

カッコよくて(キレイで)、性格がよくて、仕事や勉強ができて、異性にも同性にも評判がよくて、めちゃくちゃモテる人がいるとします。自分と比べてしまって、うらやましく思うかもしれませんね。

しかし、本人が幸せに感じているかどうかは、また別モノなんです。アナタの身近に「すごいな」「うらやましいな」と思う人がいるかもしれません。その人と比較して「自分はダメだな」と落ち込んだり、嫉妬したりするかもしれませんが、その人自身は、じつはぜんぜん幸せに感じていないかもしれません。

自分のやっていることに納得しているか

人は、他人の能力やステイタスみたいなことに憧れたり、嫉妬したりしがちですが、それはとても表面的なこと。一見すると、憧れの対象のような人であっても、不幸な人なんていうのはいくらでもいるのです。幸せのあり方とステータスの高さっていうのは、また別の話だということを、しっかりと踏まえておかなければいけません。

じゃあ、幸せになるにはどうすればいいのか。それは自分の行動や時間の使い方に納得しているか、っていうことにかかっています。自分のやることに納得していなければ、どんなにステイタスが高くても、幸せには感じられないのです。

顔立ちも体形も整っていて性格もよく、高学歴でコミュ力も高かったりすれば、人生の選択肢は増えるでしょう。でも、選択肢が多いがゆえに、自分のやりたいことがわからなくなったりすることもあるので、選択肢の多さが必ずしもプラスにつながるわけでもありません。

幸せの度合いを高める目安

だから結局のところ、アナタのまわりの優れた人をみて、嫉妬なんかしなくていいっていうお話なんです。それより、自分自身のやっていることに納得しているかどうかを見つめ直したほうがいい。

納得していないのであれば、それは不幸への道。納得しているのであれば、アナタは十分幸せなんです。納得できないことであれば思い切ってやめるか、やめられないのであれば、ある程度折り合いをつけて、納得できる度合いを高めるような工夫が必要でしょう。

いずれにしても、「自分が納得して人生を進む」という視点を持つだけでも、この先、幸せの度合いがうんと高まるはずです。

本稿は『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。