電気自動車(EV)の価格引き下げに向け、主要メーカーの間で安価な車載電池を採用する動きが広がってきた。ただ、コストは下がるものの、航続距離が短くなるなどマイナス面もあり、そのバランスが課題となっている。複数のメーカーがここにきて採用を計画しているのが、世界最大のEV市場である中国で普及している「リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)」だ。LFPは北米や欧州で広く使われているニッケル・コバルトを使った電池よりもコストが安く済む。テスラやフォード・モーター、リビアン・オートモーティブなどのメーカーは、LFPによってEV価格を下げられると期待を寄せる。とはいえ、航続距離といった性能面への影響や火種となりかねないサプライチェーン(供給網)の問題など、乗り越えるべき課題も多い。
廉価EV電池にシフト ネックは中国依存と航続距離
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