
現代においては「運動を禁じる病気」はほとんどなく、持病があっても「歩く」ことが推奨されている。とはいえ高齢者の運動にはリスクもある。ウォーキングに最も適した時間帯と、歩いてはいけない時間帯、健康長寿のための正しい歩き方を専門家が指南する。※本稿は、青柳幸利『すべての病気が防げる長生き歩き』(エクスナレッジ)の一部を抜粋・編集したものです。
運動が禁忌の病気はほとんどなくなった
持病があっても歩いたほうがよい
持病があるからと理由をつけて、歩きたがらない人がいます。でも、歩いてはいけない病気というものはほとんどありません。
人工透析を受けている人は、かつては歩くのはよくないといわれていました。しかし、現在は人工透析の人も歩くことが推奨されています。
かつては手術して入院すると、何日もベッドで寝ているのが当たり前でした。でも今は手術の翌日から、点滴の台を引きずりながら歩かされる時代です。
ベッドでずっと寝ていると、数日で筋力が著しく低下します。高齢者では寝たきりの原因にもなるので、入院していても歩かされるのです。
心臓病もかつては運動が禁忌でした。でも、今は心臓病でも適度に運動したほうがよいという時代です。ペースメーカーをつけている人も、歩いたほうがよいとされています。
かつてのように、運動はダメ、安静にしなさい、といわれていた病気は、今はほとんどなくなりました。
高血圧症や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病に関しては、運動療法が確立されています。
長生き歩き(運動)の効果が十分に出てくるまでには2カ月かかるといいました。しかし、運動を始めた翌日には、体に変化が起こっています。