「健康のため」が命取りに…ウォーキングで突然死を招く“絶対NGな時間帯”とは?【医師が解説】写真はイメージです Photo:PIXTA

現代においては「運動を禁じる病気」はほとんどなく、持病があっても「歩く」ことが推奨されている。とはいえ高齢者の運動にはリスクもある。ウォーキングに最も適した時間帯と、歩いてはいけない時間帯、健康長寿のための正しい歩き方を専門家が指南する。※本稿は、青柳幸利『すべての病気が防げる長生き歩き』(エクスナレッジ)の一部を抜粋・編集したものです。

運動が禁忌の病気はほとんどなくなった
持病があっても歩いたほうがよい

 持病があるからと理由をつけて、歩きたがらない人がいます。でも、歩いてはいけない病気というものはほとんどありません

 人工透析を受けている人は、かつては歩くのはよくないといわれていました。しかし、現在は人工透析の人も歩くことが推奨されています。

 かつては手術して入院すると、何日もベッドで寝ているのが当たり前でした。でも今は手術の翌日から、点滴の台を引きずりながら歩かされる時代です。

 ベッドでずっと寝ていると、数日で筋力が著しく低下します。高齢者では寝たきりの原因にもなるので、入院していても歩かされるのです。

 心臓病もかつては運動が禁忌でした。でも、今は心臓病でも適度に運動したほうがよいという時代です。ペースメーカーをつけている人も、歩いたほうがよいとされています。

 かつてのように、運動はダメ、安静にしなさい、といわれていた病気は、今はほとんどなくなりました。

 高血圧症糖尿病脂質異常症などの生活習慣病に関しては、運動療法が確立されています。

 長生き歩き(運動)の効果が十分に出てくるまでには2カ月かかるといいました。しかし、運動を始めた翌日には、体に変化が起こっています