米国民は、パブに集まりサッカー・ワールドカップ(W杯)の試合を観戦することを長年かけて徐々に覚えた。今年は、彼らがその道すがら、どれだけ熱心にスポーツ賭博場に立ち寄るかが試されるだろう。
今回は、サッカー賭博が大きく飛躍できる機会となる。最高裁が2018年5月に連邦政府のスポーツ賭博禁止措置を解除する決定を下した際、その約1カ月後に開幕したW杯ロシア大会を対象に賭博ができたのはネバダ、デラウェア、ニュージャージーの3州のみだった。男子の米代表が同年のW杯出場を逃したこともサッカー賭博に水を差した。
4年後の今年は米代表のW杯カタール大会出場が決まり、米国ゲーミング協会(AGA)によると、スポーツ賭博は31の州と首都ワシントンで運営されている。国際サッカー連盟(FIFA)の分析によると、2018年大会では世界全体の賭け金が1550億ドル(約21兆5500億円)に達したが、今回は大幅に増加する可能性がある。
しかし、米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)、米プロバスケットボール協会(NBA)、北米アイスホッケーリーグ(NHL)、大学フットボール、大学バスケットボールがシーズン入りしているため、サッカーW杯開催中のスポーツ賭博の賭け金をめぐる争奪戦は激しい。
オンラインのスポーツカジノ、ドラフトキングスでレース・スポーツブック事業ディレクターを務めるジョニー・アベロ氏は通常なら夏に開催されるW杯の日程が、今回は晩秋に変更されたことに言及し、「夏に開催されていた方が良かったが、(われわれは)賭け金が大きくなると予想している」と話した。