頑張っているのに成果が出ない。どうすればいいのか、途方にくれる人も少なくないだろう。そんな人におすすめなのが、『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』。創業9年目で売上300億円にしたアンカー・ジャパンCEOの猿渡歩氏、初の著書だ。猿渡氏は「適度にサボると生産性は上がる」という。27歳入社→33歳アンカーグループ最年少役員→34歳アンカー・ジャパンCEOになった著者が、参入したほぼ全製品カテゴリーでオンラインシェア1位になった秘密は、シンプルな6つの習慣にあった。本書の一部を抜粋しながら急成長の秘密を明らかにしていこう。
大事なのは、勝つこと? 負けないこと?
アンカー・ジャパンは、勝つことと同じくらい負けないことを重視してきた。
ピッチャーが無失点で抑え全員で守りきれば、派手に打ち勝たなくても負けない。
その一例が、量販店での販路拡大や直営店事業だ。
量販店では、バイヤーに製品を買ってもらえなければ、店頭には並ばない。
陳列棚のスペースも限られている。
伝統的な大手メーカーも数多くいる中で、後発かつスタートアップのアンカー製品を扱ってもらうのは簡単ではなかったがチャレンジした。
「アンカーストア」をつくった理由
2018年には、直営の実店舗「アンカーストア」をつくった。
直営店とオンライン販売を比較するとオンラインのほうが利益率はいい。
店舗スタッフも必要なく、家賃もいらない。
オンラインストアも運営費用はかかるが、直営店に比べれば固定費は圧倒的に少ない。
ただ、直営店はオンラインより中長期的なお客様との関係性を構築しやすい。
実際、製品を見たり触ったりという体験価値を提供でき、加えてファン化も促しやすい。
お客様の中には、ネットで製品を見て「いいな」と思った直後に直営店で実機を確認し、オンラインで後日買う方もいる。
たとえば、
「10万円のプロジェクターをオンライン上の情報のみで買うにはハードルが高い。でも気になるから店舗で実物を見てみよう。
実際体験したら想像以上によかった。でも今月は少しお財布が厳しい。いったんほしい物リストに入れて、来月ボーナスが入ったら購入しよう」
という感じだ。
(本稿は『1位思考』の一部を抜粋・編集したものです)