トランプ前大統領が大統領選への出馬を表明しましたが、その神通力が弱まってきたとの声も挙がっています。実は、トランプ氏の返り咲きの見込みが低くなると、私たち日本人の生活にはプラスかもしれません。人為的に引き起こされている円安が止まって、来年中には為替レートが円高に戻る可能性が出てきたのです。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)
トランプ氏の出馬表明は
焦りの表れ
アメリカのドナルド・トランプ前大統領が、2024年の大統領選挙に出馬することを正式に意思表明しました。来年から本格化する共和党内の候補者争いにいち早く名乗りを上げて、党の指名を獲得したい意向です。
さて、このトランプ出馬表明は、実はトランプ陣営に焦りが出始めているからだと言われています。出馬表明演説では相変わらず同氏は強気でしたが、アメリカのメディアはそうは見ていません。トランプ氏が虚勢を張っているように捉えられています。そしてその理由は、先ごろ行われたアメリカの中間選挙で、トランプ氏が属する共和党の選挙結果が芳しくなかったからです。
アメリカの中間選挙は通常、現職の大統領に対する批判票が増えて野党が勢いを増す傾向にあります。今回も選挙前の下馬評ではバイデン大統領の支持率が下がっていたこともあり、民主党が大幅に議席を減らすことが確実視されていました。
ところが予想以上に民主党が善戦して、上院では決選投票となるジョージア州の結果が出る12月を待たずに多数派(議長の1票を含む)を占めることが確定しました。下院はさすがに共和党が多数派を占める形になりましたが、議席数の差は僅差。当初危惧されていたのと比べれば、バイデン大統領ははるかに楽な形でこれからの2年間の議会対策を進められるという結果となりました。
この結果は、トランプ前大統領の神通力が弱まってきたからだといわれています。