株式投資で資産2億5000万円を築いている現役サラリーマン投資家の愛鷹氏。2008年から株式投資をはじめ、これまで通算66もの銘柄で10倍株(テンバガー)を達成。“テンバガー・ハンター”の異名をとる。2021年は9年連続テンバガー達成。会社員として働きながらテンバガーを連発する【愛鷹式】超分散投資術を徹底解説した初の単著『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』(ダイヤモンド社)から、一部を抜粋・編集し、一度買ったら決算を都度確認するだけでほとんど売らない、というサラリーマンでも再現性の高い超シンプルな投資法を紹介する。

【10倍株連発】<br />株式資産2億5000万円超の現役サラリーマン投資家が注目する“成長銘柄”イラスト:タラジロウ

「半導体製造関連」を狙え!

コロナショックなどもあり、ビジネス環境がめまぐるしく変わる状況下でも、今後大きな成長が期待できるテーマが、「半導体製造関連」です。業種の中分類では「電気機器」に属します。

半導体は「産業の米」ともいわれます。パソコンやスマホ、ゲーム機のほか、テレビやヘッドホンなどのAV家電、自動車、飛行機など、私たちの生活に欠かせないものは、もはや半導体がないと動かせません。

自動車には1台につき数十から数百もの半導体が使われており、「走る半導体」と呼ばれるくらいです。電気自動車(EV)への転換や自動運転の高性能化が進めば、搭載される半導体はさらに増えるでしょう。

半導体の需要は拡大し続ける

また、あらゆるモノがインターネットとつながるIoT(モノのインターネット)化が加速し、さらにその先のIoE(すべてのモノのインターネット)化も見えてきたので、半導体の需要は拡大し続けるでしょう。EV、5G(高速通信規格)、AI(人工知能)といったテーマも、半導体の高性能化を前提としています。

こうした需要の拡大が背景にあり、コロナ禍で生産力が低下したり、サプライチェーンが寸断されたりしたことから、2020年前後から世界的な半導体不足が問題になりました。その結果、2021年にトヨタ自動車(7203)をはじめとする世界の主要な自動車メーカーは、一時的に減産を強いられました。

2021年10月からは、コロナ禍の影響による半導体不足で給湯器の生産が滞り、在庫不足に陥りました。同年11月には同じく半導体不足により、家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」が減産に追い込まれました。

これからも事業の成長が見込める銘柄

インターネットにつながる対象が増えれば増えるほど、通信処理速度が高速化するため、半導体の高性能化、小型化、省電力化が必要になります。それにつれて半導体の製造装置も、高性能化が求められます。半導体、半導体製造装置の進化は、今後も止まらないと考えられることから、半導体製造関連の銘柄は、これからも事業の成長が見込めるでしょう。

半導体製造関連の銘柄というと、東京エレクトロン(半導体製造装置で世界第4位/8035)、信越化学工業(半導体シリコンウエハーで世界第1位/4063)、ディスコ(半導体、電子部品の研削・切断・研磨装置で世界第1位/6146)、キーエンス(FAセンサーなどの検出・計測制御機器大手/6861)、レーザーテック(半導体マスク欠陥検査装置が主力/6920)といったビッグネームが挙げられます。

いずれも日本の製造業を代表する優良グローバル企業ですが、すでに高い評価を得て株価はかなり高く、どれも値がさ株となっており、時価総額も大きくなっています。一般的には時価総額が数千億円規模にまで成長すると、そこからは株価が2倍、3倍と大きな成長曲線を描きにくくなります。

「ジャンピングキャッチ」に要注意

ところが半導体関連は、世界的に需要が旺盛で、なおかつ世界シェアも競争力も高い企業が多いので、すでにビッグネームになっていても、そこから株価が2倍、3倍となるポテンシャルを秘めています。

ただし、半導体は需要と供給のバランスが、株価に大きく影響する銘柄が多く見られます。需要が供給を大きく上回って長期にわたり高値が続く「スーパーサイクル」と、供給が安定し数年にわたって株価が軟調になるケースが、過去数十年にわたってくり返されているのです。

時価総額の大きいビッグネームは、その影響を受けやすいです。半導体製造関連は将来的な需給バランスを考慮する必要があり、また値がさ株も多いことから、投資初心者が手出しするにはハードルの高い銘柄も多いように思います。株価が高値をつけたあたりで株式を買ってしまう「ジャンピングキャッチ」(高値づかみ)とならないように注意も必要です。

※本稿は『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。