「お金は欲しいけど、あんまり仕事はしたくない」「仕事はキライじゃないけど、一生お金のために働くのはイヤだ」
そんな思いが少しでもあるのなら参考にしたいのが、入社4年目の26歳でFIRE(経済的自立と早期リタイア)を果たした遠藤洋氏の著書『投資をしながら自由に生きる』(ダイヤモンド社)だ。仕事をしながら小型株集中投資によって資産を築いた著者が、「最速でお金から自由になる」ための秘策を伝授! さらに、お金にも時間にも場所にも縛られず、好きなことで楽しみしながら収益を得て、自分の人生を最大限に満喫する方法を徹底指南する。
※本稿は
『投資をしながら自由に生きる』より一部を抜粋・編集したものです。

【たった4年でFIREできた元会社員が教える】お金から自由になるため働き方を考え直すたった1つのポイントイラスト:伊藤ハムスター

仕事をサボることで人類は進化してきた

【前回】からの続き

働き方を考え直すためのポイントは、たった1つしかありません。それは「どうやって仕事をサボるか」をつねに考えることです。「本当の自由」を目指す人が考えるべきは、「仕事をサボるためには、何を頑張ったらよいのか?」です。

ここでいう「仕事をサボる」ということをもう少し詳しく説明すると、「自分の時間を極力使わずに、価値提供をする」ということです。「どうやったら自分の時間を使わなくても、世の中への価値提供を続けることができるのか?」という問いに対して、答えを出すことこそが「本当の自由」につながります。たとえば、こんな話があります。

遥か昔のローマ時代、とある小さな村がありました。その村には水源がなく、遠く離れた川から何時間もかけて毎日水を汲んでくる必要がありました。そんなある日、この問題を解決しようと、村のある兄弟2人が立ち上がりました。
兄はこういいました。「今日から水を運ぶ仕事は俺に任せてくれ。村の若い男を集めてみんなで手分けして運ぶよ」
これに対して、弟はこういいました。「毎日水を運ぶなんて、そんなの面倒でやってられないよ。僕はもっと楽な方法を探す旅にちょっと出てくる」
そして、この村の水運びの仕事は、兄が一手に担うことになりました。
兄は村の若い男を集め、みんなで頑張って毎日水を村に届けました。ほかに水を得る手段がなかったため、運んできた水の報酬で兄は大儲けしました。
ところが1年後、弟が村に帰ってきました。「水を簡単に運ぶすごい方法を見つけたよ!」そういって弟は、川から村までパイプをつなげて、川の水をポンプで汲んで村まで送ったのです。
村人は大喜びです。いままで毎日水を運んでいた労働からも解放され、いつでも蛇口をひねれば水が出てきます。もちろん、そうなると誰も兄が運んできた水を買わなくなります。そのかわり、村人は弟がつくった水道に対して、利用料を支払うようになりました。
こうして、真面目に水を運んでいた兄は仕事を失い、水汲みをサボる方法を探しに旅に出た弟が、一生安泰なビジネスを手に入れました。

目の前の仕事を一生懸命頑張ることも大切ですが、人が進化してきたのは「どうやったら目の前の仕事をサボれるか?」ということを真剣に考えてきたからです。毎日みんなで手分けして水を運んでいた兄は、たしかに労働者としてシンプルで確実な選択をしたのかもしれません。しかし、その作業をどれだけ続けても、現状が大きく変わることはありません。

一方、旅に出た弟は、一見するとサボっているように見えるかもしれませんが、「川と村をパイプでつなげて水を運ぶ」というアイデアを見つけて、それを実現しました。結果的には、未来を大きく変えるために行動した弟のおかげで、その村は水に困ることがなくなりました。

労働者として働き続けるのではなく、ビジネスオーナーになるために働くというのは、まさにこの弟のような発想を持つことです。

※本稿は『投資をしながら自由に生きる』より一部を抜粋・編集したものです。