開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。
「15分ルール」で差が開く
親は子どもが長時間、机に向かっていると安心してしまいますが、その間、子どもが勉強しているとは限りません。たとえ参考書に目を落としていても、頭の中にはまったく別のことが浮かんでいるかもしれません。
まず、理解しておきたいのは、子どもの集中力は大人ほど続かないということです。子どもは勉強が嫌なのではなく、長い時間、集中できないのです。子どもが集中できる限界は、せいぜい20分くらいだと私は考えています。
そうした子どもの特性を考え、隙間時間の学習をルール化しましょう。
入浴前、食事前……など「15分だけ計算の勉強をしよう」「10分でいいから新しい漢字を繰り返し書こう」といった具合に決め、それを励行してもらうのです。
たかが10分と侮るなかれ。毎日やれば1週間で約1時間。無理して机の前に座らせている1時間よりも、はるかに実のある学びとなります。
隙間時間にゲーム感覚で勉強をする
15分の前には10分、10分の前には5分と、短い時間でいいのです。こうした隙間時間にちょこちょこやるだけでもいいのだとわかれば、子どもにとっても勉強は大変なものではなくなります。
それに、今の子どもたちは親世代のときよりもはるかに忙しいのです。まとまった時間を期待せず、隙間時間にゲーム感覚で勉強してもらいましょう。
比較対象のないひとりっ子は、基礎学習の部分で油断しがちです。基礎がしっかりできていなければ、考える力も育ちません。だから、毎日の隙間時間を上手に生かし、基礎学習を重ねさせましょう。
(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)