プリキュア手掛けた監督が語る「アニメ撮影」の世界、実写じゃないのに重要な訳Photo:William Vanderson/gettyimages

数あるアニメ制作の工程の中で、一般視聴者が最もイメージしづらいのが「撮影」だろう。もちろん、実写のドラマや映画とは異なり、現実世界の風景や俳優の演技を撮るわけではない。謎に包まれたアニメ撮影とはどんな工程で行われるのか――。劇場版『ONE PIECE』やテレビアニメ『プリキュア』シリーズを担当した経験を持ち、書籍『アニメができるまで』を上梓した大塚隆史監督に解説してもらった。撮影を知れば、アニメを見るのが100倍楽しくなる!(執筆/フリーライター 堀田孝之、取材協力/アニメ監督 大塚隆史)

実写じゃないのに
なぜアニメ制作で「撮影」が重要?

「撮影を知れば、アニメが100倍面白くなる!」

 こう豪語するのは、劇場版『ONE PIECE』やテレビアニメ『プリキュア』シリーズを担当した経験を持つ、大塚隆史監督だ。

 実写のドラマや映画の撮影は、誰でもだいたいの様子をイメージできるだろう。街やセットの中で俳優たちが演技し、その模様をカメラマンが撮影する、おなじみの作業である。

 しかし、実写ではないアニメでも、撮影が重要であることは意外と知られていない。俳優の演技や現実世界の風景をカメラで撮るわけでもないのに、アニメ制作における撮影とは、いったい何をしているのだろう?

 そこで今回は、大塚監督にアニメにおける「撮影」について解説してもらった。

 まずは前提知識として、アニメ制作の工程について簡単に触れておこう。