米国は深刻な太陽光パネル不足に陥っている。太陽光パネルを積んだ輸送コンテナがロサンゼルスをはじめとする港湾近くの税関で足止めされている。コンテナの数は推定で数千個に上るという。さらに多くのコンテナが、ベトナムやマレーシアの工場や港で、あるいは迂回(うかい)された欧州などで待機している。背景にあるのは、中国の強制労働によって生産された製品の輸入を禁じる米国の法律だ。太陽光パネルの国内メーカーがほとんど存在せず、主に中国や他のアジアのメーカーからの輸入が8割以上を占める米国では、この混乱により、太陽光発電の普及に支障が出ている。米国クリーンパワー協会によれば、今年これまでに推定23ギガワット相当の大規模な太陽光発電プロジェクトが延期されている。これは2021年に設置されたもののほぼ2倍、開発中のプロジェクト全体の約3分の1に相当する量だという。