脳ドックは「やらないほうがいい検査」!
そればかりか、さらにはアメリカでは症状のない人への頸動脈エコー検査は不要な手術を行う結果になってしまうこともあり、データに基づいた判断ではデメリットのほうが大きいと判断され、グレードD(行わない方がいいだろう)と認定されてさえいるのです。
要するに、「明確に有効性の証明されていない検査をして、数値が高かったらアメリカではむしろ行うことが推奨されていない検査を受ける」という流れが当たり前になっている人間ドック施設が、日本には存在するのです。
こうした標準的な検査と、日本独自の検査の違いは普通に人間ドックを受けていてもなかなか気づかないのは当然だと思います。
LOX-index、脳ドック以外ですと、PET検査や腫瘍マーカーも世界標準ではない日本独自の検査です。大規模なデータでの死亡率低下などの有効性が示されているものでもありませんが、がんの進行や治療効果の確認の際には、保険診療で使われており、有意義な検査と言えます(ただし、人間ドックでの検査の場合は保険が効かないので全額自己負担)
日本人特有の感覚かもしれませんが、「人間ドックを受ける際は検査をやればやる程良い、お金をかければかける程良い」と考えている人が結構多いように感じますが、これは大きな間違いです。検査を受けることでの弊害は存在しますし、また、あまり効果が証明されていない検査への費用もばかにはなりません。
こういった日本特有の検査項目を絶対に受けるなという訳ではないのですが、折角人間ドックを受けるのであれば正しい事前情報を持って人間ドックに臨んで、検査を選択していただき、有意義な機会にしてもらいたいと切実に感じています。