外国語を学べば「左脳」が成長する

 外国語を学ぶのは、左脳の多くの脳番地を複合的に成長させる最も効果的な方法の一つだと言えます。

 まず、単語の意味を覚え、思い出すために記憶系を使います。次に、感情系や思考系を活動させて文章をつくり、運動系を用いて書いたり話したりします。(脳番地についての関連記事:最新脳科学でついに決着!「左利きは天才」なのか?

 そして伝えたい考えや思いを順序立てて整理し、これらの脳番地を統括して働かせるのが伝達系です。テキストなどを使い自分で勉強するだけでも、左脳のこれだけの脳番地をフル稼働させています。

 さらに直接、講師に学ぶ機会があれば、一言一句、もらさずに聞こうとすることで聴覚系も活性化しますし、言葉にならないニュアンスを察しようと視覚系も働かせることになります。

 それぞれの脳番地を鍛えることを意識して、外国語を学ぶのであれば、

思考系、伝達系、運動系 → 外国語で文章を書く
聴覚系、視覚系 → 外国語のビデオや映画を見る
理解系、視覚系、伝達系、記憶系 → 外国語の本やウェブサイトを読む
感情系、伝達系、運動系 → 外国語で感情を込めて話をする

 などがいいでしょう。

 あえて不慣れなこと、「苦手だな」と思う方法に挑戦してみましょう。そうすることで、未発達な脳番地が刺激されて、左脳が総合的に発達していきます。

(本原稿は『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』から抜粋、編集したものです。本書では、脳科学的にみた左利きのすごい才能を多数ご紹介しています)

[著者]加藤俊徳(かとう・としのり)
左利きの脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社脳の学校代表。昭和大学客員教授。発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家。脳番地トレーニングの提唱者。
14歳のときに「脳を鍛える方法」を求めて医学部への進学を決意。1991年、現在、世界700ヵ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像の研究に従事。ADHD(注意欠陥多動性障害)、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。帰国後は、独自開発した加藤式MRI脳画像診断法を用いて、子どもから超高齢者まで1万人以上を診断、治療を行う。「脳番地」「脳習慣」「脳貯金」など多数の造語を生み出す。InterFM 897「脳活性ラジオ Dr.加藤 脳の学校」のパーソナリティーを務め、著書には、『脳の強化書』(あさ出版)、『部屋も頭もスッキリする!片づけ脳』(自由国民社)、『脳とココロのしくみ入門』(朝日新聞出版)、『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』(大和出版)、『大人の発達障害』(白秋社)など多数。
・加藤プラチナクリニック公式サイト https://www.nobanchi.com
・脳の学校公式サイト https://www.nonogakko.com