短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を研究してきた人物がいる。
東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。発売前から「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題なのが注目の新刊『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』。本稿では、本書より一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を初公開する。

他人を簡単に出し抜けるたった1つの方法→【めんどうくさければGO!】の法則

絶対成功できる方法

 絶対に成功できる唯一の方法がある。

 それは「他人にはできないこと」をやること。

だから成果を上げる人は、常に他人にはできないことを探す「思考アルゴリズム」を持っている。

「他人にはできないこと」というと、「難易度が高いこと」と思うかもしれない。

 だが、もう一つ、「他人にはできないこと」がある。

めんどうくさいこと」だ。

「難易度が高いこと」と「めんどうくさいこと」の両方できれば大成功するが、めんどうくさいことができるだけでも成功する。

 成果を上げる人は、めんどうくさいことを見つけたとき、「これは絶対に他の人はやらないだろう!」と嬉しくなる。

 では、めんどうくさいことを見つけるにはどうしたらいいか。

 多くの人がめんどうくさいと感じるものは、だいたい似通っている。

 だから、自分がめんどうくさいと思ったことは、たいてい他人にとってもめんどうくさいことなのだ。

 重要なのは、自分が「めんどうくさいと感じた」ということを、きちんと受け入れることだ。

 成果を上げられない人は、めんどうくさいことを避けがちだが、やっかいなことに、その自覚症状がまったくない

 心の奥で「うわー、めんどうくさいなぁ」と感じてもきちんと受け止めず、「これは自分がやらなくてもいいこと」「時間がないからしょうがない」と「やらなくていい理由」を見つけ、正当化してしまう。

「めんどうくさいからやっていない」「自分は怠けている」なんてちっとも思っていないのだ。

やるべきだが、誰もやらない
「めんどうくさいこと」に注目せよ

 だからこそ「めんどうくさいこと」をやれば誰でも成功できる。

 ここで、めんどうくさいことを見つける方法を図解しよう。

 まず、仕事には「やるべきこと」「やりたいこと」「やれること」の3つがある(▼図表6)。

他人を簡単に出し抜けるたった1つの方法→【めんどうくさければGO!】の法則

 この3つを重ね合わせると、仕事は次の7つに分類される(▼図表7)。

1.やるべきで、やりたくて、やれること=最高の仕事
2.やるべきで、やりたいこと=楽しい仕事
3.やりたいが、やる必要のないこと=自己満足の仕事
4.やりたくて、やれるが、やる必要のないこと=ただの趣味
5.やれるが、やる必要のないこと=ムダな仕事
6.やるべきで、やれること=ラクな仕事
7.やるべきだが、誰もやらない「めんどうくさいこと」=一人勝ちできる仕事

 多くの人は「やりたいこと」「やれること」しかやりたがらない。

 よって、「やるべきこと」だが「やりたいこと」「やれること」ではない7.の部分はほぼスルーされてポツンと1か所残り、仕事が完成しないので成果が出ない。

 そこを埋めるだけで成果が出るのである。

 1.~6.は放っておいても誰かが勝手に喜んでやる。

 ただ、7.は必ず残るので、これをやる人が一人勝ちできるのだ。

 仕事に取り組むときは、残された7.を探し、率先してやる「思考アルゴリズム」を身につけるだけで、他人が出せない成果を出せるようになる。

 だから私自身はめんどうくさいことを見つけては喜んでいる

「めんどうくさければGO!」の魔法

 今日から「めんどうくさい。チャンスだ! やろう」を口グセにしよう。

 いちいち考えすぎるからやらなくていい理由が浮かぶ。

 目の前に落ちているゴミを見た瞬間、「めんどうくさい」と思うと同時に拾ってゴミ箱に捨てるクセをつける。

「めんどうくさければGO!」を合言葉にすると、個人もチームも一気に伸びる

 ダマされたと思って実行した人だけが魔法を手に入れられるのだ。

(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)