不安や悩みが尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、著者がNHK『あさイチ』[12/12(月)放送]に出演することで注目の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。
ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
いくら仲が良い人とも……
人間関係というのは、これまでのいちばん良かったときの関係性をベースに考えてしまう傾向があります。昔からの友達なら、これまでの長い関係性のなかでも、いちばん仲が良かったときのことを念頭に、付き合いを続けているところがあるんですね。
若ければ若いほど、人間関係も短い期間でしかないかもしれませんが、だいぶ年齢を重ねてくると、いちばん仲が良かった時期が、10年前だとか20年前だとかいうことにもなるわけです。そういう思い出をお互いに共有しながら、関係性をつないでいるところがあります。
ところが、人間ですから、仲が良いことばかりではありません。いちばん仲が良かった頃に比べて、よそよそしい関係になったり軽い関係になったりして、なんとなく心が傷つくこともあったりします。しかし、人というのは、現在の関係性でつながるものであり、いまつながっている関係性こそが現実なんですね。
余計な不安を
背負い込まないで
過去の友達との関係性もウソではないのですが、現在の関係性と過去の関係性というのは、別モノとして考えたほうがいいです。以前は仲の良かった人と現在もつながってはいるものの、以前ほどの親密な関係ではなくなった。だからといって、そのことで凹んだり、大事なものを失ったなんて考える必要はないんです。
それは、たまたま現在の環境のなかで、ちょっと疎遠になったにすぎないことであり、またどこかのタイミングで仲が良くなるかもしれないし、そうならないかもしれない。
過去の仲が良い頃をふり返って、「こうあるべきだ」と決めつけてしまうと、その思い込みにとらわれて、相手に余計な期待をしてしまい、余計な不安や悩みを背負い込んでしまうことになります。
友達はあくまでも
現在をつなぐもの
いかに馬があった友達でも、その関係性がずっと続くわけじゃない。自分も常に変わるし、相手も常に変わる。相性というのは、どう転ぶかわからないのです。
それなのに、人というのは、一度相性が良いと思い込んだら、ずっと良いままだと期待してしまうところがあるんですね。その思い込みにずっと囚われてしまうと、目の前の人間関係を素直に楽しめなくなってしまいます。
友達というのは、あくまでも現在をつなぐ人。そう考えれば、純粋にいまを楽しめるんじゃないかと思います。
本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。