サイゼリヤPhoto:Diamond

行動制限が解除され、入国制限も大きく緩和されるなど、人々の生活は少しずつ「コロナ前」に戻りつつある。だが、一難去ってまた一難。ビジネスの世界では、円安や資材高が多くの企業を混乱のうずに巻き込んでいる。その状況下で、好決算を記録した企業とそうでない企業の差は何だったのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はすかいらーくホールディングス、サイゼリヤなどの「ファミリーレストラン/カフェ」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

外食業界は好調?
コロナ前と比較して見える現実

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のファミリーレストラン/カフェ業界4社だ。

 対象期間は22年5~9月の直近四半期(すかいらーくホールディングスとロイヤルホールディングスは22年7〜9月、サイゼリヤとコメダホールディングスは22年6~8月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・すかいらーくホールディングス
 増収率:27.6%(四半期の売上収益803億円)
・サイゼリヤ
 増収率:18.5%(四半期の売上高369億円)
・ロイヤルホールディングス
 増収率:33.9%(四半期の売上高270億円)
・コメダホールディングス
 増収率:12.1%(四半期の売上収益92億円)

 ファミリーレストラン/カフェ業界の4社はいずれも前年同期比で2桁増収という好調ぶりだ。特にロイヤルホールディングスは増収率3割超という大増収となった。

 ただ、外食業界は新型コロナウイルス禍で大打撃を被っており、そこからの反動増の影響には要注意だ。実際の回復度はどの程度なのか、次ページ以降で見てみよう。