レディースシューズのEC販売サイトを運営するIDEALが2022年2月に立ち上げたセミオーダーパンプスブランド「An ideal」。ブランドオープンから1年もたたない間に多くの女性から支持を集めるようになった同社の戦略や今後の展望について、プロジェクトマネージャーの管偉宏氏に聞いた。(清談社 鶉野珠子)
ほとんどの人の足は
サイズに左右差
「当社は、衣、食、住、本人認証ソリューションの企画・開発・製造を行うELEMENTSの子会社です。ELEMENTSが目指しているのは“究極のパーソナライゼーションの実現”です。誰もが当たり前に自分に合った服や靴、住環境などを手に入れることを目標とし、ソリューションを提供しています。そのなかで我々がフォーカスしたのが、靴領域でした」(管氏、以下同)
同社は元々、ECサイトで既成品の靴の販売を行っていた。販売する靴を3Dスキャンで計測し、履き心地が近い靴のデータを収集。そのデータを活用し、たとえば、Aというブランドのパンプスが履きやすいと感じる人には、似た形状のBというブランドのパンプスを薦めるサービスを行ってきた。
「1足ずつ計測していくうちに、足長(爪先からかかとまでのサイズ)は幅広く展開しているブランドが多いのに、足囲(足の幅と厚みのサイズ)は1パターンしかないことに気づきました。特にパンプスは柔軟性のあるスニーカーなどと違い、足にフィットしづらい素材で作られています。自分の足に合うパンプスがなかなか見つけられず、痛い思いをしたり、ストレスを抱えていたりする女性がとても多いと聞き、その悩みを解決できるパンプスを作ろうと思ったのがブランド設立のきっかけです」
そして誕生した「An ideal」は、足長が19.5~27cmで0.5cm刻みの16サイズ展開。一方、靴の幅はスリム、ノーマル、ワイドの3種類から選択でき、ヒール高も3種類から選べる。カラーバリエーションは23色を用意し、左右で異なるサイズ、幅のオーダーも可能となっている。
「人間の足は、重心や利き足などさまざまな要素が関係して、大きさにバラつきがあることがほとんどです。ほぼすべての人は左右差があるので、『右は23cmのノーマル、左は23.5cmのワイド』といったオーダーにも対応しています」