今年デビュー40周年を迎え、8月末に個人事務所設立を発表した歌手・中森明菜が中国でも注目を集めている。発表当日、微博(ウェイボー)などの検索ランキングで上位となり、復活を熱望する中国人ファンの間で彼女の写真が多数シェアされた。なぜ今、中国でも中森明菜の人気が高まっているのか?(ジャーナリスト 中島 恵)
唯一無二の歌姫に、中国の若者も夢中
「あのはかなげな容姿、独特の雰囲気……絶対的、唯一無二の存在だと思います。ああいうタイプの日本人女性はこれまであまり見たことがなかった。とても魅力的です」
こう語るのは東京都内に住む中国人留学生の女性(20)だ。以前から「昭和アイドル」や「昭和グッズ」に夢中で、それが高じて日本留学にやってきたという若者だが、中でも大好きなのが昭和の歌姫、中森明菜だという。
彼女の歌にも関心があり、今年NHK BSプレミアムで放送され、大反響を巻き起こした「伝説のコンサート 中森明菜 スペシャル・ライブ1989」(編注:1989年に開催したライブ動画を4K相当の画質にリマスターしたもの)も自宅で視聴。開設されたばかりの明菜のツイッターも早速フォローした。この女性の場合、特にメイクやファッションに注目しており、中国でよくインフルエンサーらにシェアされている「明菜風メイク」の動画を見ては、自分も日夜研究、実践していると話していた。
中国の検索サイトで「中森明菜」について調べてみると、「百度百科」というウィキペディアのような紹介ページで、彼女の生い立ちからデビューまでの経緯、ヒット曲、近藤真彦との熱愛、スキャンダル、海外での評価まで、日本の紹介ページとほぼ同じ内容が詳細に書かれており、その“充実ぶり”に驚かされる。紹介ページには最新の情報も加筆されていて、個人事務所設立の情報も記載されている。