器用で能力のある人ほど陥りやすい「一人前のわな」、地道な人が出世する理由Photo:PIXTA

「一人前」と「一流」は
全く違う

 仕事に慣れてくると、仕事を右から左に、マニュアルを見なくても、先輩に聞かなくても、こなせるようになり、ミスも減ります。上司や先輩から文句を言われなくなり「一人前」として扱われます。そして多くの人は、これで仕事ができるようになったと勘違いをしてしまいます。しかし、「一人前」の上には「一流」があるのです。

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 厳しい言い方ですが、「一人前」は「二流」になっただけです。繰り返しますが、「一人前」と「一流」は同じではありません。その区別が付かないと、慢心し仕事で大きなミスを犯してしまうかもしれません。

 運の良い人は一人前になった時点で、一流の上司が「一人前」と「一流」は違うということを教えてくれるのですが、上司だって全員が一流というわけではありません。上司の中にも一人前で満足している人がたくさんいるので、その場合は自ら違いに気づくしかありません。

 繰り返しますが、一人前とは、ようやく「二流」になったということです。一人前の前段階は「半人前」。新入社員や転職をしたばかりの頃です。初めて課長になったとき、部長になったとき、役員も社長も初めは半人前です。

 半人前はいわば「三流」なのですが、半人前には早く仕事を覚えたい、一人前になりたいという「必死さ」「熱心さ」があるので、必死に頑張るという良さがあります。ちなみに、半人前にもかかわらず必死で仕事を覚えようという気持ちがない人は、そこで終わり。一人前にさえ、なることはありません。