おひとりさまの老後には、現役時代には見えにくい落とし穴がある! それも踏まえた、お金&老後対策は必須です。男性の3.5人に1人、女性は5.6人に1人が生涯未婚と、独身者は急増中ですが、税金や社会保険などの制度は結婚して子どもがいる人を中心に設計されており、知らずにいると独身者は損をする可能性も。独身者と家族持ちとでは、本来お金についても老後対策についても「気を付けるべきポイント」が違います。独身者がひとりで楽しく自由に生きていくためにやっておくといい50のことを税理士の板倉京氏が著した「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、一部を抜粋して紹介します。
おつり投資でチリツモ貯蓄
「知らないうちに100万円以上貯まっていた」と嬉しそうに教えてくれたのは、独身男性Bさん。お金を持ち歩くのが面倒なので、支払いはほぼクレジットカードという彼は、3年ほど前からおつり投資でチリツモ貯蓄をしています。
「おつり投資」とは、日々のお買い物の「おつり」を積み立てて運用する投資方法です。「投資をしている」という感覚なしに、自然とお金を貯めていくことができるので、あれこれ考えるのが面倒くさい、という人にはおすすめの方法です。
投資に回る「おつり」は、あらかじめ自分で設定した金額から計算されます。設定金額は「100円単位」「500円単位」「1000円単位」等、自由に決められるので、その中から自分で選びます。
たとえば、350円の買い物をした場合、「100円単位」なら50円、「500円単位」なら150円、「1000円単位」なら650円の端数が「おつり」として投資に回されます。
基本的には、設定金額が大きいほどおつりに回る金額が大きくなります。
現在、おつり投資を利用できるのは「マメタス」「テオプラスドコモ」「トラノコ」の3社。個人的なおすすめは、「マメタス」と「テオプラスドコモ」です。
ただし、「テオプラスドコモ」はドコモユーザーしか利用できません。「トラノコ」は月額300円と預り資産の0.33%の手数料がかかるので少額を投資する「おつり」投資では、利益が手数料以上になるのは難しいと思います(「マメタス」「テオプラスドコモ」も預り資産の1%の手数料がかかります)。Bさんが利用していたのは「マメタス」でした。
貯めたおつりは自動的に運用される
おつり投資は、まず、アプリをダウンロードし、クレジットカードや電子マネー情報、設定金額を登録してスタートです。
積み立てた「おつり」は月に一度など、定期的に運用口座に送金され、そこで運用されます。どのように運用するかは、リスク許容度などによって設定できます。
最初の設定さえしてしまえば、あとは自動で貯まった「おつり」を運用してくれるわけです。
投資額が少額であるため、すぐに儲けを実感できないかもしれませんが、そもそも「チリツモ」投資ですので、何もしないで自然にお金が貯まっていくことを楽しむつもりでやってみてください。増えている実感が欲しいというかたは、設定金額を高くしてみてください。ちなみに、冒頭のBさんの設定金額は1000円単位でした。
おつり投資は、日常的な「おつり」を投資に変えられるのが魅力。金額も少額から設定できて、リスクも少ないため、初心者が“最初の一歩”の投資としてチャレンジするのにちょうどよいと思います。
*本記事は、独身者向けのお金&老後対策を書いた、板倉京著「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、抜粋・編集して構成しています。