昨今の推し活ブームもあって、ダイソーの推し活グッズが人気だ。かゆいところに手が届く商品はなぜ続々と生まれたのか。企画開発の背景などを同社で推し活グッズのバイヤーを務める畑中允希氏に聞いた。(清談社 沼澤典史)
コロナ前後で変わった
推し活グッズの人気商品
昨年の新語・流行語大賞にノミネートされた「推し活」。自分が好きな人物や物事を応援する活動を指す言葉とされ、推し活は一部のオタクだけのものではなく、今や一般化している。
推し活の内容は多岐にわたる。イベントに行ったり、グッズを収集したり、それらをデコったりとさまざまだが、そんな活動を強力に後押ししてくれるのが、100円ショップで販売されている推し活・コンサートグッズだ。現在、大手100円ショップの店舗では、推し活グッズが棚の一角を占めている光景も珍しくない。
なかでも国内に3842店舗(2022年8月時点)を構える業界最大手のダイソーは、全面的に推し活グッズを展開。「店頭では『推し活グッズはどこですか?』と1日最低5回は聞かれるほど需要が高まっていますし、ダイソーで当グッズが売っているという認知も進んでいる」(畑中氏)という。
こうした推し活グッズのなかには、缶バッジカバーや硬質カードケースをはじめ、銀テリフィールシマーウ(コンサートでゲットした銀テープをファイリングできるもの)、推し撮りスティック(ぬいぐるみやキーホルダーをホールドしてスマホで撮影できるもの)など、推し活になじみのない人からすれば、用途のわからないニッチな商品も多い。こうした、商品が増加した経緯について担当バイヤーの畑中氏はこう話す。