「推し活」ブームにあきれる古参ファンも、推しとの距離感に苦慮するヲタの心理写真はイメージです Photo:PIXTA

「推し」ブームが続いている。しかし、昔からのいわゆる「ヲタ」の中には、今の「推し」ブームを冷めた目で見ている層もいる。そして実際のところ、ファンコミュニティの中にはライトには語れない独特の雰囲気も存在する。(フリーライター 鎌田和歌)

「推し活」ブームもいいけれど、依存に注意?

 世間ではすっかり「推し」「推し活」といった言葉が定着した。主に、アイドルやキャラクターなどを、さまざまな形で応援し愛でることを指す、一昔前は敬遠される存在だと思われがちだった「〇〇オタク」「ヲタ」も、今や自らそう名乗る若者が増えているほどだ。

 とはいえ、10〜20年以上前から「オタク」だった人たちの年季の入りようや、コミュニティの熟成され具合はさすがに一朝一夕で追えないところもある。

 最近、いわゆるアイドルヲタの人たちに聞いて面白かった話は、昨今マスコミが盛んに「推し」や「推し活」を取り上げ、NHKまでも好意的に取り上げるに至ってさすがに違和感を持つという意見だ。「推し活」とは、誰にも勧められるほど健康的な営みではないというのだ。

 中には「推し活」に月に数十万円の大金を注ぎ込む人もいて、そのアイドル推しの中で競い合うように「課金」をすることもあるという。推しそのものではなく、推しを応援するコミュニティとの人間関係が切れなくなる場合もあるようだ。

 ライトな「推し活」ならまだしも、依存性が高い一面があるものをマスコミが面白おかしく(ときによっては安易に)取り上げることについて一抹の不安や不快感を訴えていた。

 流行っているキャッチーな言葉と見ればそればかり取り上げてもてはやし、同じような切り口で報道して一定のイメージを作り上げてしまうメディアへの不信感もあるのだろう。