夫婦間でのコミュニケーションがうまくいかない…こんな時に“男女のマインドのズレ”が語られがちだ。しかし、私は「このズレは性別だけによって生まれるものではない」と思っている。その理由をお話ししよう。(経済コラムニスト 大江英樹)
夫婦間におけるマインドのズレ
一般的に「男女にはマインドのズレがあって、ものの見方や感じ方がそれぞれ異なる」と言われることがある。昔、「話を聞かない男、地図が読めない女」という興味深い本があったし、黒川伊保子さんの著書を読んでも、確かに男性と女性では思考過程や発想法が異なるというのは実感する。
もちろんこれには個人差があるから、一概に「男というものは、女というものは」と決めつけるのは禁物だ。しかしながら人類が長年にわたって生きてきた中で男女の違いについて一般的な傾向としては確かに存在するだろう。したがって、それを知った上でそれに対する対応を考えておくことは夫婦間で良好なコミュニケーションをおこなう上では欠かせない。
中でもよく言われるのは、“何か問題が起こった時に男性は「解決指向」だし、女性は「共感指向」だ”ということである。
しかし私は、「マインドのズレは性別だけで生じるものではない」と思う。