京都・祇園で「舞妓のストーカー被害」多発、迷惑客に講じた苦肉の策花見小路。「撮影禁止」の立て札がみえる(2022年10月、京都府京都市東山区、弁護士ドットコム撮影)
*本記事は弁護士ドットコムニュースからの転載です。

 京都を代表する花街「祇園」には、国内外から多くの観光客がやってくる。中でも「花見小路」(京都府京都市東山区)は風情のある街並みを堪能できるほか、芸妓・舞妓の姿がみられることもある。

 今年10月、雨の日に足を運んだ記者は、濡れた石畳や建物の美しさに見惚れた。スマホを取り出し、写真を撮影しながら散策していると「私道での撮影禁止」と書かれた立て札が目に入った。見渡すと、同じようなものがいくつもみられる。

 立て札には「許可のない撮影は1万円申し受けます」との記載もあった。なぜ、このようなものが設置されているのか。

「やりたい放題」の観光客、トラブルのたびに対策追われ…

 立て札を設置したのは、地元の自治組織「祇園町南側地区協議会」だ。担当者は、観光客に対して「こんなこと言うのはあれですけど…できたら、『ここ来んな』って言いたい」と話す。これまで、観光客に「やりたい放題」されるたびに、その対策に追われてきたためだ。

 担当者によると、立て札の文言にはいくつか種類があるという。初めて設置したのは2016年ごろ。内容は「柵にもたれかからないで」「飲食禁止」などの警告を促すものだった。トラブルが起きるたびに盤面の文言を入れ替えてきた。