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「障害を生かしながら頑張るんだと切り替えたら、気持ちが楽になりました。自己理解が深まったこともありますが、どんな配慮が必要かを内定先に相談できる安心感が大きかった」
障害特性をオープンにすることで、就労後の配置転換や業務環境などの合理的配慮を受けやすくなるというメリットがある。一方で、障害者雇用枠では正社員の登用が少ないことや、昇給しにくいなどの課題もある。障害科学を研究する筑波大学人間系の佐々木銀河准教授は、障害者手帳ありきの配慮は「医学モデル的」だとして、こう指摘する。
「本来はそれぞれの方が働きやすい環境を企業がつくり、働きかけるというのが必要です」
発達障害学生の就労には、本人が自分の特性を理解することや大学のサポートが不可欠だ。そして何より、学生を受け入れる社会のあり方が問われている。(編集部・福井しほ)
※AERA 2022年12月19日号より抜粋
※AERA dot.より転載