雑談する上司と部下写真はイメージです Photo:PIXTA

近年、メディアなどで取り上げられ、目にする機会が増えている「大人の発達障害」。学生時代は問題なく過ごせたが、就職してから発生するさまざまなトラブルをきっかけに発達障害が判明するケースも少なくないという。そんな彼らを取り巻く日本の現状と、発達障害を抱える社員をマネジメントする際のポイントとは。(清談社 真島加代)

社会に出るまで気づかれない
「大人の発達障害」

 生まれつき脳の一部の発達に偏りがある、という特性を持つ発達障害の人々。幼少期に診断されることもあれば、社会に出て初めて判明する人もいるという。特に後者は「大人の発達障害」と呼ばれ、注目を集めている。

「幼少期に発達障害と診断された人は、知的障害を伴う場合が多いです。一方、大人になってから判明する人は、学生時代は学習能力に問題がなかったり、むしろ勉強が得意だったりするので、幼少期には気づかれにくい傾向があります」

 そう話すのは、早稲田大学教育・総合科学学術院教授の梅永雄二氏。梅永氏は自身の研究を通して、大人の発達障害に悩む人々のキャリア教育や就労支援を行っている。