YCCの長期金利上限引き上げ
「利上げでない」との日銀の弁明は苦しい
日本銀行が12月20日にイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の長期金利上限の引き上げを決めたが、日銀は利上げでもないし、金融緩和出口の始まりでもないと、説明した。
他方でマーケットは、この決定にただちに反応し、金利や為替レート、株価が大きく変動した。
これは、20日の日銀の決定が金融政策の大転換であり、「低金利時代の終焉」と捉えられたことを意味している。
決定の影響は、日本国内だけでなく世界に及んだ。米英独などの国債利回りが日銀の決定を受けて0.1%以上高くなったのだ。
「利上げでもないし、金融緩和出口の始まりでもない」という説明と、「金融緩和時代の終了」という見方のどちらが正しいのか?
それを判断するには、YCCの政策変更ががなぜ行なわれたのか、その背景を振り返る必要がある。
金融政策の手段や目標見直しが必要だ。