摂食障害をサポートするための大切なポイント
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)
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摂食障害という病気の難しさについて
今日は摂食障害の方への接し方についてお話したいと思います。まず、医学的な背景としてお伝えしておきたいのは、摂食障害は精神科領域の中でも治療が難しく、特効薬や「こうすれば必ず治る」という王道の方法が存在しないということです。
● 生命のリスクがある:極端な拒食による心停止や、過食後の罪悪感による自殺のリスクなど、命に関わる危険性が高いです。
● 治療の葛藤:命を守るために内科的な入院や体重増加が必要な場面でも、ご本人が「太るのが怖い」という恐怖心から治療を拒絶してしまうことがあります。
このように、治療の舵取りは医師にとっても非常に難しく、ケースバイケースで様々なアプローチを試みながら進めていくものです。ですから、まずは「対応が非常に難しい病気である」という前提を知っておいてください。
あなたはすでに十分な支えになっている
その上で、家族やパートナーの方にお伝えしたいことがあります。「体重が増えるのが怖い」といった本音は、摂食障害の方が誰にでも言えることではありません。孤独や不安を抱えながらも、それをあなたに打ち明けられていること自体が、あなたを深く信頼している証拠です。
「そばにいるよ」というあなたの言葉や、なんとか力になりたいというその思いは、すでにこれ以上ない救いになっています。これほど親身になってくれる存在は、そうそういるものではありません。
治療の面から見ても、あなたがそこに存在しているだけで大きなプラスになっています。ですので、「これ以上なにかしなければ」と焦る必要はありません。
支える側が「共倒れ」しないことが大切
むしろ心配なのは、本人ではなく、支えようとしているあなた自身のプレッシャーです。長期戦になる可能性がありますから、お互いに無理をして共倒れになってはいけません。あなたがいっぱいいっぱいになった時は、正直にこう伝えても良いのです。
「今ちょっと自分も余裕がないけれど、ちゃんとそばにはいるからね」
お互いに遠慮しすぎたり、頑張りすぎたりせず、素直な気持ちを話し合える関係のほうが、本人にとっての安心材料になるはずです。あなたがプレッシャーを感じすぎて潰れてしまうと、結果的に本人も辛くなってしまいます。
「自分が潰れないこと」を最優先に意識してください。
言葉選びよりも「信頼関係」がすべて
よく「うつ病の人に『頑張れ』と言ってはいけない」といったマニュアルのような話があります。しかし、それはあくまで一般的なセオリーです。信頼関係ができているあなたが言う言葉であれば、どんな言葉であっても特別な意味を持ちます。
● 緊急時の対応:もし入院が必要な緊急事態になり、本人がパニックになったとしても、あなたが落ち着いて「入院したほうがいいよ」「病院に行こう」と声をかけ、医療につなぐ橋渡しをしてあげるだけで十分です。
どうか無理をしない範囲で支えて
「支えになりたいけれど、何をしたらいいか、何と言えばいいか分からない」と悩む優しい方はたくさんいらっしゃいます。ですが、「そうやって悩んでくれているあなたの存在そのもの」が、すでに最大の助けになっています。
どうか自信を持って、そしてあなた自身が無理をしない範囲で、これまで通り寄り添ってあげてください。それだけで、十分素晴らしい支えになっています。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。






