FRB利上げペースを緩和
だが人手不足で根強い賃上げ圧力
米国の利上げペースが緩められた。
連邦準備制度理事会(FRB)は昨年12月13~14日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利(上限)を4.5%に引き上げた。
引き上げ幅は0.5%ポイントにとどまり、過去4回の引き上げ幅(0.75%ポイント)から縮小した。順当にいけば、今後の利上げ幅はこのまま縮小するだろう。
12月FOMCで公表された経済見通しによれば、政策金利の到達水準(いわゆるターミナルレート)は5%台前半と予想されている。政策金利は来年の春先にこの水準に到達し、その後はしばらく据え置かれる可能性が高い。
懸念されるのは、人手不足を主因に物価が引き続き上昇しており、これに対する労働者の不満から賃上げ圧力が根強いことだ。
今後、賃上げ要求がさらに強まれば、賃金上昇→もう一段の物価上昇→さらなる賃金上昇という70年代のような「スパイラル」に陥る懸念がある。
賃上げを求めたストライキが急増するなど、その兆しはあり、そうなればFRBのインフレ沈静化のシナリオは崩れる。