温泉入浴の習慣がある人には高血圧が少ないことが明らかになった。国内最大規模の温泉郷を有する別府市市民を対象とする、九州大学別府病院内科の山崎聡氏らの研究によるものであり、結果の詳細は「Scientific Reports」に11月14日掲載された。入浴時間帯別に解析すると、夜7時以降に温泉に入る習慣のある人で、高血圧該当者率の有意な低下が観察されたという。
高血圧は日本の国民病とも言われるほど多い病気で、50歳以上の男性と60歳以上の女性の6割以上が高血圧に該当すると報告されている。一方、温泉入浴については古くからさまざまな健康上のメリットが報告されてきている。そこで山崎氏らは、2011年に別府で実施された、温泉入浴や疾患既往歴に関するアンケート調査の結果を用いて、温泉入浴と高血圧との関連を検討した。