「無電柱化」(電線地中化)で活躍する製品などを製造する産業資材メーカーのカナフレックスコーポレーションが12月1日付で取引先に送付した2通の文書が、関係者の間で話題となっている。社会人野球の強豪チームでも知られる同社で何が起きているのか。(東京経済東京本部長 井出豪彦)
取引先に送付された
2つの文書
カナフレックスコーポレーション(大阪市北区)という産業資材メーカーをご存じだろうか。設立は1966年7月、資本金は4億1000万円で電設資材や土木資材等として幅広く利用される樹脂製のホース、パイプ、ダクト類を手掛けている。
近年進展している「無電柱化」(電線地中化)にもカナフレックスの製品が活躍している。そのほか「カナストーン」という商品名で人工大理石を製造しており、以前は有名タレントを起用したテレビCMが流れていた。最近は社会人野球の強豪チームとして名が通っているかもしれない。
今年10月から11月にかけて京セラドーム大阪で行われた第47回社会人野球日本選手権大会にも近畿地区の予選を勝ち上がって出場を果たした。1回戦で日本通運に0-10で7回コールド負けを喫したが、本大会に出場する32チームのほとんどがトヨタ自動車や日本生命、パナソニックといった超大手企業。カナフレックスのように売上高が100億円にも届かない中堅企業が予選を勝ち上がるのは並大抵のことではない。2013年の創部から9年で4回も本大会に出場しており、力の入りようがうかがえる。
そのカナフレックスが12月1日付で「お取引先様各位」に「お願い」と題した2枚の文書を送付した(写真)。1枚目は「カナフレックスコーポレーション」名で送付したもので、2枚目は「カナフレックスコーポレーション経理課A氏(現物には実名)」の名前で送付した形になっている。
まず1枚目の重要な部分を引用する。