現役美容部員のBAパンダさんが、幼なじみのマンガ家吉川景都さんにメイクを教える『メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた』。「メイクをこんなふうに、友達に教えてほしかった!」「まさに求めていた本!」と読者から圧倒的な共感を獲得、テレビ、ラジオ、SNSなどで話題の美容マンガです。
どれだけメイクを練習してもなかなか解決しないのが、「眉毛が対称に描けない問題」。左右でバランスがとれず、悪目立ちしてしまいがちな眉毛。どのように描いたらいいのでしょうか。BAパンダさんは、技術がなくても自然できれいな眉毛に見せられるポイントが、一つだけあるといいます。ライターの悩みを、BAパンダさんに解決していただくことにしました。(取材・構成/川代紗生、撮影/疋田千里)
毛深い眉毛の存在感、どうすれば薄くできる?
──パンダさん、今日はよろしくお願いします。早速なのですが、私、本当に眉毛迷子で……。もともと眉毛が毛深くて濃いうえに、眉尻に向かってポワポワと毛が散らかっているので、どこに線を引いたらいいかわからないんです。だから、いつも非対称になってしまうという……。
BAパンダ:ちょっと見てみますね。
──はい、お願いします!
BAパンダ:
……
……
うん、別にそこまで濃くないですよ!
──ええっ!
BAパンダ:全体的に濃いんじゃなくて、中央部分だけ毛が密集して生えているから、濃く見えちゃうのかも。
──よく見てみれば、たしかに。
BAパンダ:眉毛は、どういう形がいいとか、イメージはありますか?
──なるべくナチュラルに見えるようにしたいです。自分で描くと、いつも「眉毛!!」という感じで、主張が激しくなってしまうので。できれば、眉毛の存在感を薄くしたいです。
BAパンダ:なるほど。それなら、輪郭を取らずに描くと、ナチュラルに見えますよ!
──そうなんですか! いつも眉毛全体の輪郭を描いてました。
BAパンダ:ハリウッドセレブのような、ゴージャスな感じにしたいなら、しっかり形をとってもいいんですけどね。眉毛がしっかり生えている人が、きちんと輪郭を取っちゃうと、全体も太く見え、ますます濃く見えるんです。眉山も、吊り上げるとキツく見えちゃう。
おすすめは、輪郭を取らずに、中だけ描くこと。眉の真ん中から平行に、少しずつ埋めていきます。そうすると太くなりすぎず、ナチュラルになりますよ!
BAパンダ:あとは、本の中でも紹介していますが、気分によって、眉毛の角度、太さ、色……と、変えてみると面白いと思います。
──眉毛の描き方、たくさんバリエーションがあるんだなと、驚きました。本を参考に、いろいろな眉を試してみたいと思います!
「眉毛が非対称」を解決する超重要なポイント
──あと、もう一つ相談です。輪郭をとらないと、いつも極端に非対称になっちゃうんですけど、何かコツはありますか?
BAパンダ:とにかく「眉頭」さえ揃っていれば大丈夫です。あんまり意識しない人も多いんですが、眉頭が一致しているかどうかって、すごく大事なんですよ。
──眉尻じゃなくて、眉頭ですか! たしかに、いつも眉毛の後半部分をどうするか、しか考えてなかったです。
BAパンダ:眉毛が極端に非対称に見えてしまういちばん大きな原因は、実は「眉尻」じゃなくて「眉頭」なんです。
人間の顔って基本的に非対称で、左右の顔バランスが違うので、眉尻の形が若干ちがっても、そんなに気にならないんですよ。
「いつも眉毛が非対称になる」というお悩みのほとんどは、眉尻の形ばかり気にするのをやめて、「眉頭の幅」「眉頭の形」「眉頭の高さ」がずれている問題をなんとかすれば、解決します。
右側の眉頭が四角くて、左側の眉頭が丸い。
右側の眉頭が太くて、左側の眉頭が細い。
まずは、そうならないようにだけ、気をつけて描くようにするといいですよ!
──言われてみれば、右が四角で左が丸、よくやっちゃってる気が……! そうか、眉毛全体を完璧に対称に描くのって、めちゃくちゃむずかしいけど、「眉頭さえそろえれば」と思えば、私にもできる気がします。
BAパンダ:うん。逆に、眉毛の後半部分がどれだけ左右対称でも、眉頭がずれていたら、ものすごく非対称に見えるんです。
おさらいすると、「眉毛が対称にならない問題」を解決するために気をつけるべきなのは、
・眉頭の幅(太さは一致しているか)
・眉頭の形(四角と丸にいなっていないか)
・眉頭の高さ(眉毛のスタート位置がずれていないか)
の3つですね!
──いやー、「眉頭さえ揃えればなんとかなる」というのは、眉毛迷子の人にとっては救いだと思います! パンダさん、ありがとうございます!
大手化粧品会社の現役美容部員
BA歴10年、現在2社目。これまで接客してきたお客様はのべ1万人以上。お客様の「なりたい自分」に合わせて商品や使い方を提案するように心がけている。吉川景都とは小学校時代の幼なじみで、30年来の友人。
吉川景都(よしかわ・けいと)
マンガ家
2003年少女誌『LaLa』(白泉社)でデビュー。著書に『片桐くん家に猫がいる』『子育てビフォーアフター』(新潮社)、『鬼を飼う』『こまったやつら』(少年画報社)などがある。メイクは好きだが、キラキラ美容部員さんのいるコスメカウンターは怖かった。アラフォーになり、「顔面迷子」状態の日々。
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