紅白歌合戦が若返り、ジャニーズ、K-POPについていけない氷河期世代の独り言写真はイメージです Photo:PIXTA

全体的に若い世代への訴求が目立った昨年末の紅白歌合戦。視聴率は過去と比べて伸び悩んでいるものの、それでも大晦日は「紅白」を見るという家も多いだろう。氷河期世代の筆者から見た今回の歌合戦は――。(フリーライター 武藤弘樹)

2022年の紅白歌合戦
取り残された感のある氷河期世代

 日本の年末といえば、紅白歌合戦である。多くのお茶の間で、年越し直前の夜を彩る日本の風物詩的存在……それがNHK紅白歌合戦である。

 1年前もここで紅白関連の記事を書いて、さらにその中で「風物詩」やら「原風景」やら似たようなことを書いた記憶がある。これは筆者が同じことを繰り返しがちなおじさんになってきているということではなく、それくらい、紅白歌合戦が形を変えずに我々日本人の心の中にあり続けているということなのである。

 2022年の出場歌手を見渡してみると、氷河期世代と呼ばれる筆者世代が若い頃リアルタイムで聴いていた歌手が実に少なくなったものだと改めて嘆息させられる。また、出場歌手は知らない人だらけであり、ポップミュージックの現在がどうなっているのかをダイジェストとしておさらいするのに、とてもいい教材となった。

 2022年紅白の個人的な感想、および最近の紅白の傾向、さらには世情を読み解いてみたい。