2023年も、3年連続で初回入試を2日間に分けて行う栄東

前年並みとなりそうな2023年入試

 コロナ禍での実施も3回目となる2023年の首都圏中学入試は、模擬試験の受験状況を見る限り、前年に続いて史上最大級の受験生が参加することになりそうである。安全志向も落ち着きを見せたのか、特に男女共に別学の難関校に挑む受験生が増えそうな情勢にある。

 首都圏一般入試の皮切りとなる1月10日からの埼玉では、例年、東京や神奈川などからのお試し受験生も多い。感染防止の観点から控える傾向にあった長距離の移動も、前年から緩和されており、模試の受験状況を見る限り、こちらもコロナ禍前の水準に近づいている。

 今年は、1月10日入試解禁日前日の9日まで3連休となるため、最新の志願者数については、6日12時現在の各校公表数値を図1図2に掲載している。この表には、志願者数が多い入試を取り上げてある。この点を、あらかじめお断りしておきたい。

 また、コロナ禍直前の入試だった20年と比較するため、20~22年の志願者数と実倍率も載せてある。これらを見ると分かるのだが、志願者数が変動しても、実倍率は安定している例が多い。学校としては、何人が入学手続きまで進むか、その歩留まりを考えながら合格を出している。受験生としては、募集人員や志願者数よりも実倍率を重視しておきたい。埼玉の場合、1.5倍程度の比較的受かりやすい状況の入試が多い点も、合格体験を得たい受験生が集まる要因となっている。

 例年全国最多の受験生を集めるのが、栄東(さいたま市見沼区)だ。21年入試には全入試合計で1万2200人ほどが出願している。中でも初回となるA日程は、20年の6017人から21年は7012人と、実に1000人も上積みした。23年も10日と11日で選べる分割入試で、受けやすくなっている。

 ちなみに、A日程の募集人員は140人だが、合格者数は約4700人となっており、実倍率は1.5倍で推移している。模試の志望者状況を見る限りでは前年比でわずかに上積み傾向だった。1月5日現在では7768人と、さらに勢いを増して一極集中の様相を呈している。出願は6日15時で締め切られる。