12月の米消費者物価指数(CPI)統計は、インフレがあらゆる定義において全般的に鈍化している兆候を改めて印象づけた。しかも、米国民がちょうどインフレ長期化の見通しに慣れ始めたタイミングで、2021年と22年前半に見られた物価高騰が実のところ「一時的」であることを示す兆候が出てきた。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者が当初、唱えていた見方だ。とはいえ、インフレとの闘いが終わりを迎えるということではない。最もひいき目に見ても、現在の基調インフレはFRBの目標である2%を上回っている。一方、FRBが当初示していた楽観的な見方が正しかったというわけでもなさそうだ。結果的には、FRBが一時的という判断を捨て、昨年から急ピッチの利上げを進めてきたからこそ、住宅など一部の価格が下落に転じつつある。
米インフレは峠越え、結局「一時的」だったか
ただしFRB当局者の楽観的な見方が正しかったわけでもない
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