1つの行動が習慣として定着するまでには、21日程度の時間がかかると言われている。とはいえ、21日間続ける前にいつも三日坊主で終わってしまい、挫折してばかり……という人もいるはずだ。どうすれば継続できるようになるのだろうか。
「人間の行動を脳が受け入れるまでのメカニズムを知る必要がある」と語るのは、受験大国・韓国で社会現象になった50万部のベストセラー『勉強が面白くなる瞬間』著者・パク・ソンヒョクだ。彼は、塾さえない環境で周囲より遅れて勉強を始めたが、「心」を鍛えれば環境や頭脳は何の問題にもならないと固く信じて勉強。その結果、韓国トップのソウル大学法学部をはじめ、延世(ヨンセ)大学経営学部、東新(トンシン)大学韓医学部にも同時合格するという快挙を達成した。
学生の98.4%がこの本を読んで「勉強をしたくなった」と証言したという本書。なぜ、勉強をしなかった人たちが勉強に夢中になるのか? 勉強の本質とは何か? 本稿では、本書より一部を抜粋・編集して、「三日坊主を克服し習慣を定着させる方法」を紹介する。(構成:川代紗生)
三日坊主を断ち切り、勉強を継続させるコツ
早寝早起き。
出勤前の読書。
英会話のレッスン。
資格取得や、昇格試験のための勉強。
年明けに「今年こそは学習習慣をつけたい」と、目標を立てた人も多いだろう。
しかし、勉強を継続するのは簡単ではない。通勤電車に乗っている時間をインプットに使おうと目標を立ててもついスマホを触ってしまう。毎日寝る前に勉強しようと決めたのに、疲れて三日坊主に。
残業で遅くなった日、「今日だけ休もう」と油断し、結局そのままやらないようになってしまった。
誰しも一度は、そんな経験があるのではないだろうか。
三日坊主で挫折を繰り返してしまうときは、一度本質に立ち返ろう。
「人間の行動を脳が受け入れるまでのメカニズム」を知り、そもそも、なぜ継続できないのか? をあらためて考えてみるのだ。
勉強にはしっかりした「心の姿勢」が必要
『勉強が面白くなる瞬間』は、韓国で「子どもが寝ている間にそっとこの本を机の上に置く」という社会現象を起こしたほどの大ベストセラーだ。
著者、パク・ソンヒョクは、塾さえもない不十分な環境で勉強を始めた。トライ&エラーを繰り返した結果、勉強をするには「頭」よりも「心」を鍛えるべきだ、と気がついたという。
彼は本書の中で、こう語っている。
たとえば、TOEIC®で800点をとりたい、資格試験に合格したい。そのために「毎日3時間勉強する」と決め、実践したとしても、その3時間、集中できなかったら意味がない。
世の中には勉強法についての知識が溢れているが、本書で提案されているのは、「心を目標につなぎ留めておくための訓練方法」なのだ。
脳は「21日たっていない行動」に拒否反応を示す
「勉強の意欲とは、“よい習慣”によって生まれる」。これは本書の重要なポイントの1つだ。
学習が習慣化するまでのメカニズムについて、こう書かれている。
習慣化にチャレンジしても、「いつも三日坊主」「自分はなんて意思が弱いんだ……」と自分を責めてしまう人もいるかもしれない。
しかし、それは無理もないことなのだ。新しい行動に対し、脳が驚き、拒否反応を示しているからだ。
「えっ、そんなこと始めるの? 大丈夫?」と脳が混乱していると考えれば、習慣を定着させるのに苦労するのも、仕方がないと思えるのではないだろうか。
本書によると、脳に「習慣」というラベルをつけて保存しておくためには、なんとか21日間努力して我慢する必要があるそうだ。
21日間、つまり3週間のあいだは苦しい。「よし、やるぞ!」という強い意思が必要だ。
しかし、21日間を過ぎてしまえば、それは「やらないと気持ちが悪い」レベルの習慣へと変わっていく。
「いつも意思が弱くて挫折してしまう」という人は、「毎日カレンダーに赤ペンで丸をつける」というシンプルな方法を実践するのがいいだろう。
努力が可視化されるとやる気が出るし、赤ペンで大きな丸をつける瞬間、毎日小さな達成感を得られるはずだ。
何かを習慣化させるには、必ず苦しい期間を乗り越えなければならない。「ノウハウだけではどうにもならないことはある」という本質論を伝えてくれるのが、本書が50万部ものベストセラーになった所以だろう。
まずは21日間を乗り切ろう。そのための相棒として、本書を手に取ってみてはどうだろうか。