――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
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米電気自動車(EV)大手テスラの値下げと、ジョー・バイデン米大統領によるEV対象の新たな税額控除を巡る混乱により、より重要な点が見えにくくなっている。つまり、米国ではEVへの移行が本格化しつつあるという点だ。
今、EVの購入を考えているとすれば、新しい補助金制度に困惑していることだろう。どのメーカーが得をするのか見極めようとしている投資家も同じような立場かもしれない。この補助金制度で、テスラは最近の悪材料を断ち切ることができるだろうか? 韓国の現代自動車と同社傘下の起亜自動車のこのところの好調な業績が損なわれることになるのだろうか?
新たな制度がすでに始まっていることを考えると奇妙なことだが、こうした疑問に対する答えはまだ完全には明らかではない。だが米政府は新制度を寛大に解釈する重要な兆候を示しており、景気が冷え込んでも米国のEV販売は好調を維持しそうだ。