ウクライナ戦争がすぐに終結しないことは既にはっきりしている。ロシア政府が期待し、ウクライナ政府が恐れているのは、ロシアが決定的な敗北を喫する前に西側がスタミナ切れになることだ。
ロシアはウクライナ支持派の仲間割れを期待しているが、これまでのところ意見の対立は見られない。欧州はロシア産エネルギーへの依存を断ち切ったが、影響は限定的で、政治的な大変動も起きていない。エネルギーを巡って混乱があったにもかかわらず、2022年には西側の主要国全てが経済成長を果たし、ウクライナへの兵器供給を支持するコンセンサスは強まる一方だ。
それでもロシアは昨年9月に数十万人の兵士動員を発表し、経済も戦時体制に移行しており、時間はロシアに味方する可能性がある。これまでのところ米国も欧州も、特に軍事生産などで、数年続く恐れがある戦争を戦うウクライナを支えるために必要な調整を行っていない。どちらも今後さらにエネルギーショックが起きたときに無傷でいられるわけでもない。