インターネットの動画投稿サイトで著名人を中傷や脅迫したとして、警視庁から暴力行為法違反(常習的脅迫)容疑などで関係先の家宅捜索を受けたNHK党のガーシー(本名・東谷義和)参院議員(51)について、参院の石井準一議院運営委員長は通常国会召集日(1月23日)以降も欠席を続ければ、懲罰委員会にかける可能性を示唆した。ガーシー議員は自身のSNSで「3月上旬に帰国する。警視庁の事情聴取も受ける」と表明しているが、当然に「3月上旬」であれば通常国会初日には間に合わない。懲罰の可能性は濃厚で、帰国後に逮捕許諾の請求があれば参院が反対する理由もなく、厳しい立場に追い込まれそうだ。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

著名人複数が
警視庁に告訴状提出

 まず、ガーシー議員のYouTuberとしての経歴や活動内容はほかのメディアに譲るとして、本稿では刑事事件、司法手続きとしてどうなるのか、また国会(参院)はどのような手続きを取ると推測されるのかを解説していきたい。

ガーシー議員に参院「懲罰」が濃厚、3月帰国で待ち受ける“過酷な現実”参院本会議を欠席したNHK党のガーシー氏の氏名標=2022年10月3日午後、国会内 Photo:JIJI

 全国紙社会部デスクによると、警視庁は昨年、複数の著名人から提出された告訴状を受理。弁護士を通じ同12月24日、当該の「著名人」らに対する脅迫のほか、名誉毀損(きそん)、威力業務妨害などの容疑で、弁護士を通じてアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに滞在しているガーシー議員に任意の事情聴取を要請していた。

 そして今年1月11日に強制捜査に着手。家宅捜索先はガーシー議員が動画投稿で得た広告収入を管理する合同会社(東京都新宿区)の前代表や現代表の男性宅など数カ所。警視庁は関係者から任意で聴取を進めるとともに押収した資料を分析し、刑事事件として問えるか精査しているとみられる。