石油や天然ガスの輸入国にとって生産国の影響力は懸念材料で、特にロシアによるウクライナ侵攻後はそれが顕著になっている。だが、グリーンエネルギーの世界的なサプライチェーン(供給網)では、さらに大きな脆弱(ぜいじゃく)性が生まれつつある。リチウムイオンバッテリーに使用されるコバルトの世界供給の95%は中国で精製されたものだ。イタリア・シチリア島に設置された太陽光発電モジュールの70%余りは中国製である。さらに、世界の電気自動車(EV)バッテリー生産能力の4分の3を中国が握る。国際エネルギー機関(IEA)が先週発表したこれらの数字は、再生可能エネルギーへの移行に必要なグローバル・サプライチェーンがいかに集中しているかを物語るものだ。