岸田文雄首相の訪米を受けて、米国民は先週、日本が米国にとって最も重要な同盟国となったことを再認識した。しかし、週末にニューデリーにあるアナンタ・センターのインド米国フォーラムのため当地を訪問した筆者は、インド太平洋の将来が主にインドの手に委ねられていると再認識することになった。アジアの歴史は、インドと中国の経済を比較することで読むことができる。世界銀行の連鎖ドルベースの統計によれば、1980年のインドの国内総生産(GDP)は中国の64%だった。中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した2001年時点では、インドのGDPは中国の28%にすぎず、21世紀に入り数年にわたる高成長を遂げたものの、インド経済はさらに中国に後れを取り、2021年の比率は17%にとどまった。インドは人口では中国に追い付き、世界水準のサイバー産業を構築したものの、アジアやもっと広範な地域において、経済力で中国に匹敵するような製造業大国にはなっていない。