製薬業界は今、「持てる者」と「持たざる者」とに分かれている。そうした企業ごとの印象の大きな違いが浮き彫りとなったのは、JPモルガンが先週サンフランシスコで開催した医療関連の大規模会合でのことだった。同会合には数千人の業界関係者が集結した。「持てる者」は、多額の資金を利用でき、自社の株価が過去最高値近辺で推移し、得意の絶頂にある製薬会社の重役らだった。「持たざる者」は、資金繰りに苦しむ小規模バイオテクノロジー企業の経営者らで、人員削減や臨床試験の中断を話題にしていた。米製薬大手メルクのロバート・デービス最高経営責任者(CEO)は自身の発表時に、「confident(自信、確信)」という言葉を20回超使った。対談相手を務めたJPモルガンのアナリスト、クリス・ショット氏に対して、「私の自信がかなり高いということが伝わるといいのだが」と話す場面もあった。
米バイオテク株が今年回復しそうな理由
昨年は医薬品とバイオテクの株価が逆方向に動いたが、今年は振り子が大きく揺れる可能性がある
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