繰り返されてきた「少子化」失言
過去には「産まないほうが問題」

 多くの人が麻生氏の失言に怒りや失望の声を上げているのは、このような発言が今回が初めてではないからだ。政治の責任を棚に上げ、個人の頑張りが足らないから少子化が進むのだと言いたげな発言はこれまでも繰り返されてきた(以下、肩書はすべて当時)。

「独身者に『おまえ、結婚は夢があるぞ』と堂々と語っている先輩の人はほとんど聞いたことがない。結婚だけはやめとけ、大変だぞ、とみんな言うから。結婚は夢がある、子どもを育てるのはおもしろいって話がもっと世の中に出てこないと、なかなか(子どもが増えるという)動きにならないんじゃないかというのが正直な実感」(2020年11月、麻生太郎財務相の発言)

 結婚には夢があり、子どもを育てるのはおもしろいという話が聞かれる社会にするのが政治の役目ではないのか。

「年を取ったやつが悪いみたいなことを言っている変なのがいっぱいいるが、それは間違い。子どもを産まなかったほうが問題なんだから」(2019年2月、麻生太郎副総理兼財務相の発言/翌日に撤回)

 さまざまな理由で子どもを望まない、あるいは望んでもかなわない人がいることへの想像力の欠如は言うまでもないが、政治課題である少子高齢化を、高齢者対子育て世代(若年層)の問題かのようにすり替えるのはいただけない。