商品(コモディティー)市場に強気派が戻ってきて、息の長い上昇相場に備えている。2023年末の工業用金属価格は少なくとも現在より高値がついている可能性がある。だが話はもう少し複雑だ。とりわけ景気の先行指標となる銅価格の場合は。少なくとも当面、主流を占めるのは強気派だ。ファクトセットによると、ロンドン金属取引所(LME)の銅3カ月先物は1トン当たり9100ドルと、2023年に入って9%上昇。アルミニウム先物は13%上昇している。データ会社CEICによると、鉄鉱石価格は2022年11月初めから年末にかけて50%近く急伸した。世界経済は、大方の予想を超える強じんな回復力を見せつつある。中国の経済再開と不振に陥った不動産市場に対する政府支援強化の兆しは、金属の強気相場を後押しする重要な要因だが、米国と欧州のデータも思ったほど悪くなかった。米国のインフレ率は依然高いものの明らかに鈍化傾向にある。また欧州は暖冬のため、天然ガス価格上昇の影響が限定的だった。