米NY超一流ホテルの魅力、ヘンリー王子夫妻も宿泊「ザ・カーライル」の仰天エピソード

海外旅行ガイドブックの決定版『地球の歩き方』から、今回紹介する記事は「アメリカ・NYの老舗有名ホテル」です。世界中からたくさんの観光客やビジネス客が集まる大都市ニューヨークには、超高級ホテルからゲストハウスまで、旅のスタイルに合わせたホテルが多数あります。その中でも、ニューヨークを代表する老舗の高級ホテルでは、歴代の大統領や各国の王族、セレブによってひいきにされ、多くのエピソードが残されてきました。一流の目が養われている彼らが愛用してきたホテルには、どんな魅力があるのでしょうか。ホテルや客室に秘められた、歴史やドラマとはいったいどんなものなのでしょうか。それらを知るために、一緒にホテルの扉を開け、歴史とエピソードに思いをはせてみましょう。(文/青山 沙羅 写真/Hideyuki Tatebayashi *Do not use images without permission. 監修/地球の歩き方)

セレブの秘密を守り続けた「ザ・カーライル」

米NY超一流ホテルの魅力、ヘンリー王子夫妻も宿泊「ザ・カーライル」の仰天エピソード(c)THE CARLYLE, A ROSEWOOD HOTEL  ローズウッド・スイート

 セントラルパーク近く、マディソンアベニューと76番街の角にある「ザ・カーライル・ア・ローズウッドホテル」(以下、ザ・カーライル)は、1930年創業、35階建て192室の客室を持つ5つ星ホテル。

 メトロポリタン美術館にも徒歩7分ほどの閑静な高級住宅街にあり、観光客が少ないエリアであるため、喧騒を逃れて静かな滞在ができるクラシック・ホテルです。

 今までに、故ダイアナ妃やウィリアム王子夫妻、ヘンリー王子夫妻のイギリスのロイヤルファミリーや、トゥルーマン以降の歴代米大統領、スティーブ・ジョブズやミック・ジャガー、デビッド・ボウイ、マイケル・ジャクソンなど、超一流のセレブが宿泊してきたことでも有名です。

 ここで、ひとつ逸話を紹介します。ある日、ホテル内の同じエレベーターに乗り合わせたのはなんと故ダイアナ妃、マイケル・ジャクソン、スティーブ・ジョブズという豪華な顔ぶれの3人。エレベーター内が3人の緊張で静まり返る中、ダイアナ妃がマイケル・ジャクソンのヒット曲「ビート・イット(Beat It)」を口ずさんだのがきっかけで、沈黙が破られたとか。ダイアナ妃は機転が利く聡明な女性だったんですね。

 また、ザ・カーライルでは枕カバーに顧客のイニシャルを刺繍し、次に宿泊する時まで大切に保管するというきめ細かなサービスがありますが、もてなしに感動したイギリスのキャサリン妃が、裁縫係の女性の元へ感謝を告げに訪れたというエピソードもあります。一流ホテルと賞賛を受ける理由には、ほかのホテルとは違う「独自のおもてなしの心」があるんですね。

 俳優のジョージ・クルーニーは、「ホテルに来たというより、家に帰ってきたという気分にさせてくれる」と語っており、セレブに対してもホテルのスタッフが家族のように温かく気さくに接するホテルなのです。